浦安コペルニクス総研・ブログ版

普通の人々が、日常の生活と浦安市の市政の関係を考えていく仕組みをつくりたい。 行政主導の市政から、市民主体へ、 コペルニクス的転換を試みる「行動する」研究体です。

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No.31 何が問題なのか 高洲のモニュメント建設

マスコミで報道されて、話題が広がっている「高洲地区のマンホール・モニュメント建設」問題。
「震災の記憶を忘れないためにも残せ」という声と、「住民感情としては残したくない」という意見に集約される二極の対立構造が、市外の方々も巻き込んでインターネットの掲示板やツイッター等を中心に形成されつつあるようです。
モニュメント化に反対する声を、資産価値の低下のみを心配する「地域エゴ」だと冷ややかに見る人々も存在するようです。モニュメント化問題を表層的に捉えてしまうので、その種の情緒的感情論に基づく評価が生じます。

しかし、この問題を情緒論・感情論で議論するのは、中々難しいのではないでしょうか。
この話がどこから始まって、どう進んでしまっているのかそのプロセスを検証、整理することで、解決の方向性が見えてくるように愚考します。

市は、モニュメント化の目的を「東日本大震災による液状化被害と、震災で得たさまざまな教訓を日々風化させることなく、後世の記憶にとどめるため」(広報うらやす2012年9月15日号より)としています。
そうであるならば、ではモニュメントとして「何を遺すか」(対象物の選定)、そしてそれを「どう遺すか」(手段・手法の選定)という検討の段階があるはずです。
その段階の説明が市民に対してなされないために、「高洲中央公園内の浮き上がったマンホール」という「対象物」を、そのままその場所に遺すという「手法」が震災モニュメントにふさわしいかどうかがうやむやのままなのです。そこが、周辺地域に暮らす住民の方々や、市民の理解・共感が伴わない理由なのではないでしょうか。
これでは、「当該マンホールをそのままの形で遺す」というアイデアが先に立って、震災モニュメントの設置が発想されたように思われても仕方ありません。
震災遺構なら他にもモニュメント候補に適したものがあるかもしれません。建設反対の署名活動などがが起きない物件が望ましいのは言うまでもありませんし、手法としても、例えば博物館や市民文化会館に移設する、当時の写真や映像とともにマンホールのフタなど一部のみ展示する、などが考えられます。

震災の記憶を風化させない、という意味では、浦安市は既にA4判フルカラー68ページの記録写真集「ドキュメント 東日本大震災 浦安のまち−液状化の記録−」を出版社に依頼して製作、新年度以降に防災学習の副教材として活用する意向も示されています。
舞浜、新浦安地区では地面や道路、建物もまだ元通りに復旧しておらず、震災の記憶が風化するのはまだまだ先のことです。そして問題のマンホールの下にある耐震性(のはずだった)貯水槽、これもまさに風化させてはならない重要な震災の証言者です。

この貯水槽(貯水量100トン)は1996年に、公園の駐車場地下に災害時の飲料水確保のため浦安市が約1億2千万円をかけて設置したものです。しかし、液状化により1メートル以上浮かび上がり、使用不能となりました。
100トンの重量を持つコンクリート製の耐震貯水槽が、浮き上がり防止の金属ベルトまでをも破壊して浮上してしまったのです。
この事実は、モニュメントとして遺すかどうか、という議論より以前に、検証されなければならない重要な問題だと思います。
約1億2千万円の設備が役に立たず、本来の目的を全く果たせなかった。同種の設備は他にも存在するようですし、今後のためにも構造上何が問題だったのか、明確にするべきではないでしょうか。地上にモニュメントとしてマンホールを整備してしまったら、壊れた貯水槽跡がそのまま地下に埋もれてしまいます。そうなったら再度掘り起さない限り、もはや検証はできません。
「モニュメント、150万円位でできるなら別にいいんじゃない」と思っている方がいらっしゃるとしたら、その理解は大変危険です。
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